無自覚良品2011/10/03

またまた鮮烈な作品を発見してしまいました。あえて名付けるなら「ガムテ塀」とでも呼びましょうか。ガムテープは補修用としても、様々な場所でよく使われる素材ですが、これほどの大作に使われている例は、見た事がありません。幅2間程の長さを何度もテープを横断させ、その大胆なストロークが気持ちが良い作品です。とても1巻のテープでは完成出来なかった事でしょう。裾から覗く倒壊した石灯籠が無常観をさそいますが、門口の松の木といい、往時は小さいながらも趣味の良いお庭であった事が偲ばれます。
実はこのガムテ塀、以前記載した「オブジェ邸」の裏手付近で発見したので、ひょっとしたら同じ作者の作品と言う事も考えられますが、若干作風の違いを感じます。
このように時々街で遭遇する、制作者がアートを目的とせず、しかし結果として見る者の心を動かす作品になっている物体を、何と呼称したら良いのでしょう。ジャンルとしてはアウトサイダーアートに近いと思いますが、作者は決して作品を意識している訳では無く、一住民による生活上の一行為でありましょう。「無意図作品」「無意識過剰派」「無自覚良品」…。
しかしだんだんこのブログ、この種の市井オブジェ作品を、発見しては紹介する記事が増えて行きそうで怖いです。

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