同人誌「萌」2011/07/04

「萌」と書いて「もえる」と読みます。決して「もえ」でも、それ系の同人誌でもありません。瀬戸内寂聴さんが主催されていた文学教室「嵯峨野塾」の、解散後生まれたのが「グループ萌」で、これは年に1回発行される、その同人誌です。僕が2000年に大阪で展示を行った時に、メンバーの方が見に来て下さり、その時のご縁で僕の絵をずっと表紙に使っていただいて来ました。実はこの表紙、原画やポジフィルムを原稿にしているのではありません。勿論最近のデジタルデーターでも無く、実はこれ、お渡しした僕のポストカードを拡大して原稿とし、モノクロ印刷にして使っているのです。印刷や絵の再現性にこだわる人でしたら、飛び上がって驚く方法ですが、案外これが面白い効果を上げている様に思われます。デザイナーも介在していない為、非常に素朴なレイアウトですが、単純明快で、ついつい作り込んでしまいがちなデザインの、原点を考えさせられます。僕としては一寸変わったプロセスの仕事で、毎年本を送っていただくのが楽しみでもありましたが、残念ながら今号で終刊となりました。メンバーの皆さんお疲れ様でした。そして長い間ありがとうございました。今後とも、皆さんより一層萌えて、素敵な物語をお書き続け下さい。