和田誠さんの驚異の本2011/06/10

尊敬するイラストレーターは?と聞かれ、和田誠さんの名を挙げる同業者は多い事と思います。僕もその一人で、半世紀間に渡る多彩な仕事ぶりもさることながら、クリエイターとして、文化人として、常に信念を曲げずに活動なさって来られたように思われます。そんな和田さんの新しい驚異の作品集が発売されました。愛育社刊「和田誠カラー作品集 Coloring in Wadaland」がその本です。
昨年、モノクロの絵を集めた作品集「Black & White in Wadaland」が同社から発行されておりますが、その本の姉妹編として発刊されました。「Black & White」を手にした時は、その質量に圧倒され、正に「イラストレーションの教科書」と唸ったものですが、今度の本は480頁、オールカラーの豪華本です。昔ディズニーランドが、全部見るのに1週間かかると言われていましたが、Wadaland も同様で、じっくり見て行くと1週間はかかりそうな内容です。使用画材ごとに分けて構成されており、そんな所もテーマパークを意識されているのかもしれません。デザイン、レイアウトも和田さんご自身の手によるもので、さぞ大変な作業だった事と思われます。
モノクロ版が「教科書」なら、カラー版を強いて例えるなら、「聖書」とも言うべき本で、これからイラストレーションの道を行く人には、良き道案内の書となる事でしょう。もっとも凄すぎて、道を引き返してしまう人もいるかもしれませんが…。