今年最後の展示2012/12/23

今年最後の展示でもある、恒例のスペースユイでの3人展が、現在開催中です。今回は年末ご多忙の東逸子さんに代わり、木版画家及び陶芸作家でもある木村繁之さんにご参加いただき、レギュラーの建石修志さんとの3人展となりました。
立体作品を作っていると、その過程の中で様々な面白い形体と出会う事があります。それらはむしろ出来上がった作品より創造的かつ想像的な事もあります。そんな制作途中の楽しさが出せたらと思い、今回は「作りかけ」を意識して制作いたしました。
考えてみると僕は長い間、古美術的な肌合いを求めて腐心して来た気がします。それは見た人に時間により失われた色や形に対する想像力を喚起させたい、という思いからですが、完成したその先を表現するエイジングという作業は面白くも有りますが、インチキな骨董品を作るような、若干の後ろめたさも感じていました。ここ最近の展示を振り返ってみると、歳のせいもあるのでしょうが、如何に力を入れずに立体作品を作るかに、こだわって来た気がします。それが「作りかけ」でもあります。今後暫くは骨董の逆の発想の「誕生以前の物が発する想像力と生命力の喚起」という事を考えて創作してみたいと思っています。とは言うものの、古色もまだまだ捨てがたいので、今後の立体作品は「誕生以前の骨董品」という、訳の判らないものになって行くかもしれません。