京都アスタルテ書房2021/09/02

銀座人形館での個展が終了して息つく間も無く、京都アスタルテ書房にて9月3日より個展が始まります。京都での個展は初めての経験で、ぜひ会場には行ってみたいのですが、コロナの影響で今のところ行く予定は立っていません。
アスタルテ書房は古書店を兼ねた空間で、送っていただいた飾り付けの写真を見ると、あたかも昔から飾られていたかのようでした。

気骨の判決2021/09/12

宝塚大学漫画分野の教授でもある、竹内一郎先生が主催されている「演劇集団ワンダーランド」による、第49回公演「気骨の判決」を、ラゾーナ川崎プラザソルにて観劇して参りました。
僕の立体作品をポスター、パンフレット等のビジュアルイメージに使っていただいたご縁からご招待頂き、デザインを担当された松吉太郎さんと一緒に、見に行ったのですが、実は川崎駅で降りるのは生まれて初めてであった気がします。
川崎と云うと、小学校の社会科見学での「工場地帯」というイメージが、自分の世代ではつい浮かんで来てしまいますが、時は移り、当たり前ですが駅から煙突は1本も見えず、駅前のラゾーナ川崎は海外のショッピングモールのような広大さで、大いに面食らいました。
劇の内容は太平洋戦時下において、権力や大政翼賛会等の圧力にも負けずに、法を順守した判決を下した実在の判事の物語です。空気を読むとか、説明不足とか、何かとなし崩し的な事が横行している現代に置いて、意義のある演劇だと感じました。

谷口広樹さん2021/09/15

青山のギャラリーspace YUIで、2018年の始めに2人展をご一緒した谷口広樹さんが、去る8月30日に急逝された。大学での講義の最中に倒れられたとのことである。64歳であった。
谷口さんはイラストレーションだけでなく、グラフィックデザイン、純粋絵画、大学教授と、その活動は多岐に渡り、いずれにおいてもその才能をいかんなく発揮されていた。純度の高い大きな抽象画も描けば、気が遠くなる程細かい、無印の看板イラストの依頼も引き受けて描かれていた。その振り幅の大きさから、ご本人に「谷口さんが何処を目指しているのか判らない」と申し上げた事があるが、氏は笑っていた。
谷口さんが亡くなった時、氏は西荻で個展を開催中でもあった。遺影でも飾ってあったら辛いなと思いながら最終日に伺ったのだが、いつでも奥から谷口さんが現れそうな、何も変わらぬ自然な展示で、感傷に溺れずに見ることが出来てとても良かった。谷口さんの作品はタイトルがいつも凝っている。人生訓のようであったり、心情吐露のようでもあったりする。今回の作品の中に「山は数あれど頂上は一つ」といったふうなタイトルの作品があった。私はこのタイトルを見たとき、谷口さんが目指す方向性の謎が解けた気がした。私のような怠け癖のある人間には理解出来ない程の、大いなる創作エネルギーが、氏を突き動かしていたのであろう。
画像は2人展の際、谷口さんがデザインしてくれたシルクスクリーンによるポスターである。

マッチの日2021/09/22

勤務先の宝塚大学イラストレーション分野で毎年制作している、学生の作品集が出来上がりました。今年のテーマは「マッチ売りの少女」です。本来ならば去年に発行されているはずだったのですが、コロナの影響で延期となっていたものです。(まあ、それもあるのですが、さぼっていた面もあります)
巻末には「マッチ売り」に因んで、マッチのラベルを特集して紹介しています。むしろこちらの方が、編集の大変さに於いてはメインだったかもしれません。
8月の暑い日にマッチラベルの大コレクターである加藤豊さんを、2回に渡り取材致しました。加藤さんは大変熱心に協力して下さいました。マッチには販売用と広告用の2種類があり、加藤さんのコレクションは明治時期の販売用(商標マッチ)が中心です。一方広告マッチの方は本学講師の松吉太郎さんのお爺さまが船員時代にスクラップしていた、各地のカフェーのマッチラベルを中心に紹介しています。こちらは1930年代のコレクションです。
そして本が刷り上がり、大学に到着したのが9月16日で、何とこの日は偶然にも「マッチの日」でありました。

現在開催中及び来月の展示2021/09/23

毎年のように参加させていただいているグループ展示を2つご案内致します。
一つめは京橋オルテールでの「翼のあるひと」展。紹介が遅くなりましたが、こちらは今週一杯までです。
もう一つは恵比寿のギャラリーMallでの、東日本大震災、復興支援チャリティー「素敵に食卓(日本酒ラベル展Ⅻ)」福を呼ぶ。こちらは10月26日から31日までとなっております。画像はラベル展の出品作で、陶板に描いた作品です。
どちらもついでがございましたら、お立ち寄り下さい。